アメリカでは、一定条件を満たしている個人の方は必ず、毎年、4月15日までに前年度のタックスリターン(確定申告)を行う義務があります。
・給与所得がある場合
・給与所得以外の収入がある場合(株式売却益、賃貸収入など)
・個人事業収入
・その他の収入(ソーシャルセキュリティや失業保険など)
タックスリターン(確定申告:1040フォーム)
2023年度
- 独身- Single – $13,850
- 夫婦合算 – Married Filing Jointly – $27,700
- 夫婦別算、別居 – Married Filing Separately – $13,850
- 扶養家族のいる特別世帯主 – Head of Household – $20,800
- 適格未亡人 – Qualifying Widow – $27,700
以上の条件を満たした方が対象となります。
タックスリターン(給与所得以外)
株式の売却益やレント収入、個人事業主での事業収入の給与所得以外の収入がある場合も、タックスリターンを行う必要があります。通常の1040フォームに加え、収入の種別によって下記のフォームをつけてファイリング(申告)します。
- スケジュール B・・・利子収入や配当金収入がある場合
- スケジュール C・・・個人事業主として$400以上の事業収入がある場合(個人事業や1099-NECを受け取って収入を得た場合)
- スケジュール D・・・資産売却(不動産や株など)によるキャピタルゲイン(売却益)がある場合
- スケジュール E・・・不動産の賃貸料収入や、パートナーシップのパートナー、Sコーポレーションの株主、LLCメンバーで役員報酬を得られている場合
その他、政府(連邦、州政府)から受け取った助成金や失業保険、年金(Social Security)なども課税対象になりますので、忘れずに申告する必要があります。
FBAR(FinCEN Form 114)について
アメリカに居住しタックスリターンを行っている方で、アメリカ国外(日本など)に、$10,000以上の資産(銀行などの預貯金、不動産は除く)をお持ちの場合は、課税対象ではありませんが、FBARのフォームで申告する必要があります。
一年間の間で一瞬でも、$10,000を超えたことがあれば、申告する必要があり、申告を怠るとペナルティが課せられます。
タックスリターン時に一緒に申告することができるので、海外にある資産の情報(銀行名や住所、口座番号、口座名義、最高残高など)をご準備下さい。
日本での収入がある場合
日本での収入があったり、日本の年金を受給していたりする場合、日本でその分を確定申告をしていれば、その日本の確定申告書を元に、アメリカのタックスリターン時に、Foriegn Tax Creditとして申告することで、二重課税を避けることができます。
日本の収入もアメリカで申告をして、アメリカでTaxを支払うと言う場合は、事前に、日本側にForm 6166(米国の税務上居住証明書)を提出し、日本で課税しないようにします。
このForm 6166を入手するためには、Form 8802で申請します。このForm 8802で必要な国と枚数を選び、$85の申請料と一緒に申請します。
届いた6166に必要事項を記入して、日本の受給側、または税務署に提出します。
日本で課税されていない分の収入に関しては、アメリカできちんとタックスリターン時に申告をします。
個人事業主(Self-Employment)の方
個人でフリーランスなど業務委託で$400以上の収入がある場合は、Schedule Cフォームを使ってタックスリターンをファイリングする必要があります。
また、$600以上の報酬がある場合は、業務委託した側(企業)から1099-NECが出されるので、そのフォームを元にタックスリターンの申告を行います。
個人事業主(Sel-Employment)の場合、給与所得がないので、連邦税やソーシャルセキュリティ、メディケアなどの源泉徴収がされません。それらに該当するSelf Employment Taxがタックスリターン時に計算され、納税することになります。(2021年の税率は、純所得の最初の$142,800に対して15.3%です(2020年の$ 137,700から上昇)。内訳は、社会保障の12.4%とメディケアの2.9%です)
アメリカ国外にお住まい方
米国籍・米国永住権または有効な就労ビザを保有していない、アメリカ国外に居住している、またはアメリカで収入があっても滞在期間が183日未満の場合は、非居住者として1040NRフォームを使っての申告となります。
アメリカ市民権、永住権をお持ちでアメリカ国外にお住まいの場合でも、アメリカのタックスリターンを1040フォームを使って申告する必要があります。(日本での収入がある場合、330日以上アメリカ国外にお住まいであれば、Foreign Income Exclusionの控除が受けられます)